「やり抜く力」は成功を生む

去年から『やり抜く力〜GRIT(グリット)』という本がベストセラーとなっている。
アメリカのペンシルベニア大学で教鞭を執るアンジェラ・ダックワース教授によって著されたものです。
「人が人生で成功するのに最も重要なファクター(要因)は何であるか」を解明した内容です。

ビジネスリーダー、エリート学者、 オリンピック選手……成功者の共通点は何なのか?
教授が調査・研究した結果、その共通点は学歴や知能の高さでも、外見の良さでも、能力の差でもなく、これこそ「やり抜く力=グリット」だったそうです。
「グリット」とは、物事に対する情熱であり、また何かの目的を達成するためにとてつもなく長い時間、継続的に粘り強く努力することによって、物事を最後までやり遂げる力のことだそうです。

グリットはスタミナを必要とするもので、一時的に夢中になるのではなく、1つの夢や目標を実現するために毎日毎日、朝から晩まで、夢中になって頑張り続けることです。それも1週間、1ヶ月といった短期間ではありません。数年間ずーっと頑張って、頑張って努力し続ける、そうすることで、やがて夢や目標が現実のものとなるということです。
また、研究結果によると生まれ持った才能や知能は「グリット」に関係しないそうです。生まれつき素晴らしい才能や知能を持っているにも関わらず、十分な結果が得られなかった人はたくさんいるが、それはただ単に、その才能・知能を伸ばすための長期的かつ継続的な努力が足りなかっただけだそうです。
ほぼすべての成功者は「やり抜く力=グリット」を持っていて、彼らには、大きく分けて3つの特徴があるそうです。

まず1つ、コーチや助言者を持っている。
自分の行動へのフィードバックは自分だけでは難しいですからコーチや助言者の助けを大切にします。

次に、小さな決め事を長期間守り続ける力がある。
これは日々の習慣によって身につくそうです。
どんな小さなことでもかまわないから、毎日一つ目標を立て、昨日より上達すべく努力するのです。一日でどれだけの量をこなしたとか、どれほどのパワーを注いだかではなく、充分な日数を費やして一つのことを続けることが最も大切なのだそうです。

そして、3つ目の特徴は、彼らは自分を顧みる習慣を持っていて、物事の表層を捉えて反応するだけでなく、「今日はどうだったか、この先どうなるか」と人生について熟考する力を身に着けています。
今日のやり方が間違っていたら明日はこうしよう、など自分自身で軌道修正してゆく力をもっているそうです。

「やり抜く力=グリット」は、習慣によって後天的に身につく力であるそうです。また、それを身につけるのが教育であるということです。
改めて私達指導者は生徒たちに知識を授けるだけでなく、成功への道である「やり抜く力=グリット」を身につけるサポートをしなければならないと考えると同時に、私達自身も「やり抜く力=グリット」を身につけるべく日々精進しなければならないとも考えます。


やり抜く力
アンジェラ・ダックワース (著), 神崎 朗子 (翻訳)

学長ブログ

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