授業の力
紀元前における中国の儒学者・荀子(じゅんし)の言葉に
『青は藍より出でて藍より青し』
というものがあります。
これは青色の染料は草の藍という原料から取るが、それはもとの藍草よりもさらに青いことから、弟子が師匠よりもすぐれた才能を示したり、仕事をしたりしたときに使われる言葉です。
教育とは、先人が苦労し努力して手に入れた知識や考え方を、次の時代を担う若者たちに授け、その若者たちにはさらに進んだところで苦労し努力してもらうために行うものであり、世の中を進化させるためにあるはずです。
いつの世も、時が進み、新しいことが発見されるにしたがって、学ぶ内容は増え、複雑化していくものです。
だから、教育する側(先生)はその時代、状況を加味した上で、責任を持って、今何を授ける必要があるのか、今何を大切にすべきであるのかを出来るかぎり大局に立ち取捨選択しながら教育をうける側(生徒)に提供する必要があります。
現在の教育は非常に迷走しているように思われます。
近年は学ぶ内容が著しく増加し複雑化して、何が大切であるのか、優先順位はどうあるべきなのかを決めることが先生でさえ難しい状況になっていますので、生徒がそれを考え決めることが難しいのは当然です。
そして、状況が困難になればなるほど、人は考えることを放棄したり、さらには行動を放棄したりさえします。
こんな難しい状況の時こそ、先生の力が必要です。
先生が生徒目線で生徒が理解できることだけを教えていれば「木を見て森を見ず」となってしまい、解ることは増えても目標を達成できないことがおこってきます。
先生は自分がした経験や考えたことを元に教える内容を効率化することによって先生自身が学ぶことにかけた時間より短い時間で同じだけやさらに大きな効果を生徒に上げさせることができるのです。
これが教育の力であり、授業の力です。
だから、時代が進み学ぶことが増え、複雑化しても教育によって世の中はさらに進化してきたのです。
大志学園は、創立以来ずっと『青は藍より出でて藍より青し』の精神を大切にしてきました。
大志学園は塾であるので、勉強ができるようになったり受験で成功することを目標としています。
しかし、本当の目的は勉強や受験を通じて、困難やハードルに如何に立ち向かい如何に克服するかを、生徒たちに伝えることと考えています。
ハードルを越えた後、社会で大きく羽ばたき、活躍する姿を見てはじめて本当の目的を達成させてもらった喜びを感じます。
だから、大志学園は、今後もずっと『青は藍より出でて藍より青し』の精神を大切にしていきたいと考えています。